为什么现在每次听写都很崩溃呢......><
第26課
植物のにおい
岩波洋造
植物には、それぞれ固有のにおいがある、中でも、ワサビ、ニンニク、ニラ、シソ、レモンなどは、特に強いにおいを持っている。いろいろな生物の本を調べてみると、植物のにおいの中で、花の香りについては、昆虫を呼び寄せて、花粉をおしべからめしべまでに運ばせるのに役割役立つ、と説明させている。しかし、葉や茎、根や実から出るのにおいの役割については、ほとんど書かれてはいない。植物が体から出すにおいには、どんな働きがあるのだろうか。そのことを確かめるために、次のような実験をしてみた。
まず、二つの管瓶を用意し、一方の管瓶には、食パンだけを入れて密封した。もう一方の管瓶には、食パンとともに、少量のおろしワサビ(2グラム)を入れて密封した。そして、摂氏25度の部屋の中で観察を続けた。すると、何も入れていない管瓶の中の食パンには、3日目ごろから、いろいろな色のかびがはいてきたが、ワサビを入れた管瓶の中の食パンには、10日でもたっても、20日でもたっても、かびは入ら生えなかった。
ワサビの代わりに、同量のニンニクをおろしたのや、2,3キリメートルの大を大きさに刻んだ、ニラの葉を使ってみたが、やはり、かびは入ら生えなかった。
次に、3本のガラスのシリンダー(500ミリリットル)の底に、それぞれ、おろしワサビ、おろしニンニク、レモンの代わの切片を置き、そのうえに、網を敷いてから、ミツバチを入れてみた。蓋をして行動を観察すると、植物を置かない時は、2時間だたっても元気に飛んだり、這い回ったりしていたミツバチが、おろしワサビ(5グラム)のシリンダーの中では、一分後には、もう飛ぶ力を失って、網の上に落ち、二分後には、ひっくり返って、動かなくなった。同量のニンニクの場合は五分、レモンの皮の場合は14,5分後に、ミツバチは完全に動く力を失った。
これらの実験結果から見ると、かびの繁殖を抑えたり、ミツバチの運動能力を失わせたりしている原因は、植物のにおいにありそうだ。
だが、ほかにも原因が考えられる、それは、植物の切片が呼吸をしているため、シリンダーの中の酸素が不足するのではないかということである。このことを調べるため、植物を入れたシリンダー内をの網の上に、脱臭作用を持つ活性炭をガーゼに包んで載せておいた。すると、ミツバチは、植物を入れない時と同じように、いつまでも元気に動いていた。これで、ミツバチが動けなくなった原因は、酸素の不足ではなく、植物のにおいにあることがはっきりした。また、かびの繁殖についても、同じことが確かめられた。
その後、これらの植物のにおいは、ほかの小さな動物たち、例えば、ハエ、ゴキブリ、イモリ、ネズミなどにも影響を与えることが確かめられた。また、シソ、ダイコン、タマネギ、スギなどのにおいも、かびの繁殖を抑えたり、小動物を弱らせたりする作用を持つことが分かった。
さらに、植物のにおいは、ほかの植物の成長生長にも、影響を与えることも分かってきた。発芽したばかりのモヤシマメをタマネギや、ニンニクのにおいのするところにおくと、まっすぐ伸びなくなったり、成長が止まったりした。また、成長生長中のツバキの花粉に、タマネギのにおいを当てると、成長生長が完全に止まったあと、花粉管の先端が、風船のように膨れてきた。これはちょうど花粉が、大量の放射線を浴びた時の状態とよく似ていた。
植物は、太陽の光を用いて、自分でデンプンなどの栄養分を合成しているので、動物のように、ほかの生物を食べる必要はない。しかし、自分の体を食べにくる動物からは、実身を守る必要がある。植物を食べにきた動物は、その植物の周りに、自分の害になるようなにおいが確かめてみる立ち込めていると、敬遠して逃げ出すだろう。無理に植物の体に食いついたりすると、強いにおいの作用で、動けなくなってしまう。また、枝が折れたり、葉が千切れたりしたとき、においは傷口から侵入しようとする細菌類を撃退する役割を果たす。さらに、その植物が成長生長するために、周りに入る生えるほかの植物が、繁殖するを抑えるにも役立つ。植物のにおいは、彼らが進化の過程で身につけた、自衛のための武器の一種だったのである。
このような作用を持つ植物のにおいを、人間の病気の治療や、予防、食品の保存に活用できないだろうか。しかし、そう考えるまでもなく、人間は昔から、においを生活の中で利用してきた。ゆず湯や菖蒲湯は、体によいと言い伝えられている。笹餅、粽、桜餅などは、においを食品の保存に利用した例だろうであろう。また、刺身にワサビ、シソ、ダイコンを添えるのも、風味を味わうとともに、植物のにおいを、殺菌や防腐に役立ててきた生活の知恵であろう、と考えられる。


